日本人が受けられる奨学金について教えて下さい。 |
A. ESSEC学生を対象とした奨学金制度
a). ESSEC Master of Science in Management (Grande Ecole)学生を対象としたもの
ESSEC Excellence Scholarship Program (ESSEC頁参照) b) ESSEC Advanced Master in Financial Techniques, Financial Engineering
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手当以外に授業料も会社が負担してくれる実務研修がフランスにあると聞きましたが。 |
ESSEC Work/study program (L’apprentissage a
l’ESSEC)と呼ばれるものがそれで、Masterレベルの学生(ESSEC-Grande Ecole, IMHI, Specialized
Master 3コース*
)に在籍し26歳未満の**フランス語が話せる学生に応募資格がある。ESSEC学生の3人に一人はこの制度を利用している。
* Specialized Master’s in International Business Law and Management
Specialized Master’s in Information Systems and Telecommunication Networks
Specialized Master’s in International Supply Management
** 身体障害者は年齢制限なし
・ 企業、学生、大学研修部の3者間において期間限定の労働契約を結び、学生は大学における座学と企業における実務を定められたスケジュールに従い並行して学ぶ。
・ 契約期間中、学生は法律で定められた基準の手当を企業から毎月支給される。
・ 大学の学費は企業負担となる。
詳細は:
・http://www.essec.edu/discover-essec/corporate-relations/apprenticeship.html
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図 フランス高等教育の仕組み
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バカロレアにはどのような種類のものがあるのか。またフランスの若者はどのような進路につくのですか。 |
バカロレアはナポレオン1世が1808年に導入した制度で、1900年には1%だったバカロレア取得率(同年
代人口に対する率)は、2009年には65.8%、そして2012年には84.5%となっている。バカロレアには3種類あり、高校2年の時に自分の関心と能力
によっていずれかの一つを選ぶ。
1. Bac general: 一般バカロレアで、理数(Scientifique - S)、経済社会(Economique & sociale - ES)、文学(Litteraire - L)の3部門に分かれる。
2011年には50%の生徒がBac Generalを選択し、その内の51%がS, 32%がES, 17%がLを選択。
Bac generalを取得した生徒の高校卒業後の進路は下記の通りである。
- Universite: 53.8% - グランゼコール準備クラス(CPGE):13.3% - Section de Technicien Superieur (STS): 8.9% - それ以外の高等教育機関: 12,2% - Institut Universitaire de Technologie (IUT): 10.8% - 進学しなかった者:1%
2. Bac technologique: 1968年に設けられた技術系専門職バカロレアで6部門に分かれる。2011年には23%の生徒が選択。
3. Bac professionnel: 1985年に設けられた70部門(51%が第3次産業部門、49%が工業部門)に細分化された職業別バカロレア。2011年には27%の生徒が選択。 かくして今日、同年代生徒総数の53%が高等教育に進学し、46.4%がいずれかの高等教育機関を卒業している一方、毎年18%(63,000人)のバカロレア取得者が進学するものの、卒業できないで退学していると言われている。 (資料:フランス文部省統計)
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グランゼコール準備クラス(Cours Preparatoires aux Grandes Ecoles -CPGE)について教えてほしい |
CPGE(通称プレパ)は高校に併設されているGrandes Ecoles進学準備課程で期間は2年(最長3年)。取得したバカロレアに沿って3部門から選択する: - Prepas scientifiques - Prepas economiques et commerciales - Prepas litteriares. これ以外に芸術系のものがある。 2011年には40 000人以上の生徒がCPGEに進み、その割合は上から60%,26%,14%。Bac Generalを取得した生徒が93.5%を占める。 バカロレア別CPGE進学生徒の割合: - Bac S (理数) :19.2% - Bac L (文学) : 7.9% - Bac ES(社会経済): 6.5% - Bac Sciences & Technologies Industrielles -STI : 2.7% - Bac Sciences & Technologie du Management - STG: 1.5% - それ以外の専門パカロレア:0.9% ちなみにフランスでは俗にこのCPGEは若者が生涯で一番勉強しなくてはいけない期間と言われている。Universiteは原則無試験のため、このCPGEをこなしてGrandes Ecolesの選抜試験に合格できた者のみが、ビジネス・エリートに優先的になれる権利を有すると考えているフシがある。
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フランスの高等教育機関の数は3500校を超え、その内訳は下記の通りである。
・国公立総合大学87校(学生総数の約70%に当たる1, 370, 000人の受け皿)
・技術系グランゼコール, 専門大学:約240校
・商業系グランゼコール:約100校
・芸術系高等学校:約120校
・その他専門学校:約3000校 (資料:Campus France)
フランスの高等教育機関は総合大学(UNIVERSITE)、グランゼコール(大学院大学)(GRANDE ECOLE)とその他専門学校に大別されます。
UNIVERSITES (総合大学) 1179年に創立されたパリ・ソルボンヌ大学をはじめとしたUNIVERSITEと名のつく学校はすべて国公立です。UNIVERSITEにはグランゼコールにない学問分野があり、学問水準も決して低くありません。グランゼコールの1学年の定員は約350名と非常に少なく、入学試験に合格するのが大変なのに対し、総合大学は例外を除き、バカロレアさへ取れば誰でも入学できる反面、資格(3年
Licence、5年 Master、8年
博士)をとるのが難しいという違いがある。そもそもは教育者、医者、弁護士を養成することを目的としていた。
Grandes Ecoles (大学院大学)
グランゼコールは18世紀半ばに始まった、少数精鋭の学生を対象に、恵まれた施設と環境のなかでエリート教育を施す、フランス独自の高等教育機関である。技術
系(ECOLE D’INGENIEURS)と商業系(ECOLE DE COMMERCE ET DE
GESTION)がその大半を占めているが、それ以外にも政治・ 行政を専門とする国立行政学院(ENA), 防衛、高等師範・研究調査,
農業、獣医等を教える教育機関もこのグループに属す。 グランゼコール連合会(Conference des Grandes
Ecoles)に属する216校が基準を満たしているものとされている。連合会に属する技術系グランゼコール145校の内104校が国公立で、卒業証書
は国が発行する。これに対し、商業系のものは、運営には地元の商工会議所が深く関与しており、卒業証書は各教育機関が発行する。そのうちのESSEC
を含む71校の卒業証書は国が承認したものである。
入学にはバカロレア取得後2年間(最長3年間)高校に併設されたグランゼコール準備クラス(CPGE)で入試
に備えた猛勉強を重ねた後、競争率の高い入学試験に合格しなくてはならない。大学教育の途中あるいは終了後グランゼコールに挑む学生もいる。学業期間
は3年間で(ESSECの場合は、最低18ヶ月間の企業研修が必修のため、卒業までの平均所要年数は4年)、実務を重視したカリキュラムが組まれている。
2012年には、全国に18
167ある準備クラスで学んだ9,134人の生徒が商業系グランゼコールの入学試験に挑んだ。ESSECへの出願者数は4、930人で、360席を競った。長引く不況と若者の高い失業率の社会にあって、商業系グランゼコール
の人気上昇は、授業内容が専門的であり、卒業後、即戦力として企業で使えるという安心感を学生に与えていることが考えられる。その反対に国公立の総合大
学の人気低下は、たび重なるストと大学封鎖によるイメージの悪化と、教育内容が、改善されてはきているものの、企業の求めるニーズと必ずしも一致しないこ
とが原因とされている。
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2010-2011年度にフランスは284,659人の外国人を留学生として受け入れ、ヨーロッパで最も多くの留学生を受け入れている国の一つとなっている。留学生の全
学生に占める割合は12%で、博士課程に限れば留学生が41%を占めている。 国は全予算の20%を教育費に充てており、留学生は学生としての身分、住宅の補助等において、フランス人と同等の資格を得ている。 (資料:Campus France)
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MBAやグランゼコールは沢山あるが、評価の基準はあるのか。 |
MBA(Master of Business
Administration)は元来、米国で発展した経営学修士プログラムである。1916年に米国に設立された経営教育評価機関
AACSB(American Assembly of Collegiate Schools of
Business)の認証を得たMBAプログラムが国際的に最高基準を満たしているものとされている。1991年に認証の対象を米国の教育機関から全世
界の機関に広げ、フランスでは1997年にESSECが初めて認証を得ている。2011年現在、認証を受けている世界43カ国の648校の教育機関
のうち、フランスの教育機関が19校、日本のものが2校占める。
ヨーロッパにおいては、1998年に設立されたEuropean Foundation for
Management Development (EFMD)が発行するEQUIS(European Quality Improvement
System)の認証を得た教育機関がMBAの最高基準を満たしているものと認定され、ESSECをはじめとした35カ国の126機関がこの格付けを得て
いる。
一方グランゼコールはフランス独自の教育システムで、Conference des Grandes Ecolesに属するESSECをはじめとした216校が基準を満たしているものとされている。
フランス留学を考える場合は、MBAランキング表などに惑わされることなく、どの高等教育機関のどのプログラムの卒業資格を得ることが一番自分の留学目的に合致するかを十分検討することが肝心である。
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ESSECにある様々なプログラムの違い、特徴を簡単に説明してほしい。 |
グランゼコール(Grandes
Ecoles)は約200年前から存在するフランス独自の教育システムである。卒業後、企業の幹部候補生として即戦力となる人材を養成することを使命としている。現在、大半のGrandes Ecolesが、このGrande Ecoleプログラム(Master of Science in Management- MSc)を核に複数の教育プログラムを準備している。
ESSEC Grande Ecoleプログラムは、内容的にはMBAに準ずるものと言っても間違いではない。ただし、座学と実学を並行して学ぶため、入学条件に実務経験は必要とされないこと
、若い人材を育成することを使命としていることに違いがある。 MBA(Master of Business
Administration)
プログラムはESSECにおいてはGlobal MBA, MBA in International Luxury Brand
Management, MBA in International Hospitality Management(IMHI), Executive
MBAがある。
1. ESSEC Grande Ecole(Master of Science of Management- MSc)
留学を考えている方の年齢が25, 26歳までであれば、一番に勧めるのはESSEC Grande
Ecole(Master of Science in Management- MSc)プログラムである。なぜならフランス社会において、このプログラムが絶対的な評価と普遍的な地位を保っているからである。これは日本社会において、大学院に入学するより、大学入学の方が難しく、どこの大学を出ているかが就職の際には最重要視されるのと似ている。米国に留学するのであればMBAであろうが、フランスではDiplome de
Grande Ecoleが威力を発揮する。フランス人のビジネス・エリートにとってはGrande
Ecole卒といえば、このメイン・コースを卒業していることを意味する。 ESSECのGrande Ecoleプログラムの他校にない一番の特徴はFlexibilityである。自分の興味・関心に沿って授業を
幅広く選択できるし、交換留学・ダブルディプロムや実務研修(stage)、シンガポールキャンパスでの一部講義の履修なども可能である。比較的プログラムがゆったりと組まれているので、フランス語を学んだ
り、教養を磨く時間もとれる。またフランス社会の中枢を担うビジネス・エリートの卵と人脈作りができることも大きな利点である。
2. Global MBA
MBA in International Luxury Brand Management
MBA in International Hospitality Management
年齢が27、28歳以上の方にお勧めするのは上記3MBAコースである。 小数クラスでの、同年齢の学生との交流、選択科目は限定されるものの、専門性を高め、MBAの学位を取得することができる。
3. Advanced Masters (Masteres Specialises)
Advanced Masters (Masteres
Specialises)プログラムは留学期間が1年間に限られている方、一分野の専門性を高めたい方にお勧めのプログラムである。座学6ヶ月間、実学(実務研修)4~6カ月からなり経験を深めることができる。
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ESSEC- Grande Ecole (Master of Science in Managmement) の1年生に入学してくる学生はどのようなプロフィールでどのような試験を受けて入学しているのか。 |
ESSEC-Grande
Ecoleの第1学年に入学してくる学生の60から70%は、高校卒業時にバカロレアS (Scientifique) -
(理数);約30%がバカロレアES (Economique & Sociale) . (社会);10%未満がバカロレアL
(Litteraire) .
(文科)を取得している。入学試験の第1次試験は筆記7科目で、具体的には取得しているバカロレアによる若干の科目の違いはあるものの、大半は数II,
数III(各4時間、合計8時間)、長文要約(4000字の長文を400字にまとめる)(3時間)、哲学(テーマに対しA4用紙5~6枚に自分の考えを述
べる・4時間)、Sの学生は経済関連の歴史・地理、ESは経済的思考(テーマに対し歴史・政治・地理学的解釈をA4用紙8枚にまとめる・4時間)第一外国
語(翻訳とエッセー・3時間)、第2外国語(2時間)(いずれかは英語)である。第1次試験に合格した者に課せられる第2次口答試験は第1外国語(30
分)、第2外国語(20分)(いずれかは英語・口答試験に入る前に30分と20分間の関連資料黙読の時間あり)、面接(1人に対して3人の面接官による
45分間の面接)とIQテストである。
それぞれの試験科目の得点と総合順位は各受験者に公表される。一次試験合格者は約850名、2次試験合格者
は360人と補欠で補欠は合格者に辞退者がでた場合のみ合格となり入学枠を超えることはない。面接試験は記憶力を測るものではなく、思考力を判断するこ
とに重点が置かれている。
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大学周辺の治安はどうですか。 |
パリの治安は決して良いとは言えず、夜は特に注意が必要なものの、学校は駅から至近距離にあるので通学に問題はない。現地の学生がしないことは、しない方がいい。 |